謎めいたタイヤキ
- post on 11/12/202011:12:20:00:51:25
- スタッフ気まぐれブログ
近くに小さな鯛焼き屋さんがあります。
鯛焼き機や調理台などが入って、ひと一人が立つのがやっとのような数坪程度の狭小店舗です。小さな窓があって、そこからお金とタイヤキを交換します。
パチンコ屋の景品交換所みたいな鯛焼き屋さん、看板も暖簾も出ていないのでお店の名前はわかりません。
お店の名前どころか、鯛焼き屋さんであることも分かりにくいです。
よく目を凝らしてみると、小さな字でタイヤキ100円と書いてあります。
ただそれだけですので、頻繁に通りかかる方でさえ、お店の存在をご存じない方もいらっしゃるかも知れません。
そして、金曜日にしか開いているのを見たことがありません。
お店が開いていたらラッキーという感じです。
でも、決して趣味という訳でもなさそうです。
昔からこの場所で、ずっと変わらずタイヤキを焼いているお店のようです。
最近では古びた佇まいの、秘密めいたこのお店の雰囲気にひかれて訪れるファンも多いのだとか。
かくいう私もそのうちのひとりです。
鯛焼きにカスタードクリームやチーズなどを入れることはないようです。
餡子だけ。一種類。
パサパサの餡子は砂糖が少なめで、甘いものが苦手な方にも好まれそう。
昔からこの味なのかどうか、私は知りません。
パサパサ具合は好みが分かれると思いますが、私は好きです。
これだけでも大変愉快なお店なのですが、いっそう衝撃的なのはタイヤキの見た目。
持ってくる間に潰れたわけではありません。これが正規品です。
ぷっくり膨らんだ、つやっとした良くあるタイヤキとは全く異なります。
うすっぺらで、皮から餡子が透けて見えるほど。
しかし、この薄っぺらさが良いのです。
タイヤキに「天然モノ」と「養殖モノ」があるのはご存知ですか?
製法による違いがあるのだそうで、その分類によれば、
こちらのタイヤキはいわゆる「養殖モノ」に分類されるのですが、
見た目は完全に天然モノ。
さしずめ、荒波にもまれた鯛といったかんじ。
悪く言えば出来損ない。(失礼)
でも、先の餡子といい、皮の薄さといい、実は玄人にはたまらない味なのです。
ちょっとふやけたぐらいが丁度良く、もちっとした甘みのある皮は病み付きになりました。
金曜日になるとふと思い出す、謎めいた鯛焼き屋さんのご紹介でした。
(なんと、月曜日にも開店していました。ますまず謎。)
ところで、カレー味の鯛焼きも良いと思うのですがいかがでしょう。